季節の変わり目の健康対策 [10月の特集]

夏が終わったばかりだというのにインフルエンザとは気が早い。そんな風に思う方も多いとは思いますが、そんな事ないんです。インフルエンザが大流行する12月から2月にかけて、辛い思いをしない為にも早めに予防接種を受ける。予防医学の観点からも、とても大事な事なのだそうです。
そんなインフルエンザについて、武藤クリニック(東京都目黒区)の武藤先生から詳しい話を伺って来ました。




武藤先生

「予防接種はみんなが受けてこそ意味がある」

Q「10月にインフルエンザと言われてもピンとこないのですが」

武藤先生(以下M)「インフルエンザは毎年11月の後半頃から始まります。そして、忘年会シーズンから急速に広まって、2月にピークを迎えます。そういった意味では11月の上旬に受けても予防の効果はある訳ですが、予防接種は多くの人が受けてこそ意味があります。100人中70人が受けていればインフルエンザも広まらない。なるべく多くの人に受けてもらう為に、昨年から予防接種の開始が1ヶ月前倒しになりました」

Q「一昨年までは11月からスタートしてたんですね?」

M「そうなんです。しかし、予防接種は11月から、という頭があると大抵の人たちは12月中旬くらいになってようやく気にし始める訳です。インフルエンザが流行り始めてから慌てて受けるんですね。でも、それでは遅いんです」

「インフルエンザは毎年変種する」

Q「10月に受けてしまって流行している時期に効果が切れるという事は?」

M「それは大丈夫ですが、インフルエンザは毎年変種するウイルスですので、毎年受ける必要があります」

Q「毎年変種するのにどうやって事前にワクチンを作るのでしょう?」

M「日本にはインフルエンザのワクチンを作っている場所が数カ所あります。阪大微生物病研究会、北里研究所などがそれにあたりますが、それらの研究機関が毎年5月から6月にかけて、その年の暮れから翌年にかけて流行るだろうと思われるウイルスを予測してワクチンを作っているんです」

Q「ということは、今年の冬に流行るインフルエンザのワクチンが既に出来ているという事ですね?」

M「はい。2007年から08年にかけては、ソロモン諸島型、広島型、マレーシア型の3種混合のインフルエンザワクチン株が用いられます。北半球次シーズンのワクチン推奨株といいます」

Q「来年になるとまた違うワクチン株が作られる訳ですね」

M「そうですね。ですからインフルエンザの予防接種は毎年受けないと意味がないのです」


インフルエンザワクチン接種のガイドライン

「受験生は2回受けよう」

Q「予防接種の接種回数は1回で大丈夫ですか?」

M「一般的には、13才以下は2回、65才以上は1回と言われています」

Q「その間の年代は?」

M「例えば受験を控えた子供がいるとか、そういった人は2回受けた方がいいかもしれませんね。インフルエンザをもらって子供に移してしまったら大変ですから」

Q「という事は、受験生も2回受けた方がいい?」

M「そうですね。インフルエンザのピークは2月ですから、受験シーズンまっただ中に流行ってしまう訳です。早めに予防接種を受けて受験に備えた方がいいでしょう」

Q「2回打つ場合はどれくらい間隔をおいた方がいいですか?」

M「4週間おけば大丈夫です」

Q「予防接種だけでなく、日頃の生活で気をつける事は?」

M「そうですね。忘年会シーズンに終電車に乗らない事でしょうか。連日の飲み会で疲れた体に終電車の密室は危険です。誰か一人でもインフルエンザにかかってる人がいて、1回でも咳をされたら大変ですから」

インフルエンザの予防は10月から。先生の話を聞いて良く分かりました。皆さんも早めに予防接種を受けましょう。

それから忘年会シーズンは終電車に乗ってはいけない。これも今のうちから肝に銘じて……、ってそれは中々難しいですよね。そういう場合はマスクをするだけでも、だいぶ違うらしいです。忘年会シーズンはポケットにマスクを忍ばせておきましょう。


こうならない為にも充分な予防を


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