そら豆狩って、びわ狩って [5月の特集]
ソネットの季節特集を大和田家の人々がナビゲートします。 |
今回登場する大和田家の人物
外にお出かけするのがいい季節です。おじいちゃん達が子ども達を連れてバスツアーにやってきました。
バスツアーに参加です
おばあちゃん「はいはい、くーちゃんもしんやくんも早くバスに乗り込んで」
しんやくん「おじいちゃん、おばあちゃん、これ一体何のツアーなの?」
おじいちゃん「ふふふ、大学生のしんやくんは泣いて喜ぶんじゃないかなあ ディズニーランドとか!?」
おばあちゃん「ちがうちがう、もっといいものだよう」
しんやくん「ディズニーランドで遊んだあとはアウトレットモールでショッピングツアーとか?」
おじいちゃん「そら豆だよ!」
おばあちゃん「そら豆狩りですよ!」
しんやくん「大学生とどう関係あるんだよ、おじいちゃん」
おじいちゃん「若い人は食べ盛りだろう?」
くみこちゃん「わたしそら豆きらーい、くさいもん」
おばあちゃん「くーちゃん、畑から採ったばかりのそら豆はさわやかな匂いで甘くてそりゃあおいしいもんだよ」
くみこちゃん「じゃあ好きー」
おじいちゃん「ほら、くーちゃんも喜んでるじゃないか、さあ乗った乗った」
くみこちゃん「そら豆サイコー!」
しんやくん「あー、友達と遊びに行っとけばよかったー」
そら豆は一年の間で4~6月が収穫の時期。日本のそら豆自給率は1%なので貴重な国産そら豆には、しんやくん、もっとありがたがったほうがいいですね。
高らかに歌いながら
くみこちゃん「そーらーまーめー♪」
しんやくん「そらまめそらまめ、うるさいよ。他のお客さんもいるんだから恥ずかしいよ」
おじいちゃん&おばあちゃん「so far away ~♪」
くみこちゃん「英語!?」
おじいちゃん「英語だったらかっこいいから恥ずかしくないだろ?」
しんやくん「よけい恥ずかしいよ!」
くみこちゃん「おじいちゃん、このバスはどこに向かってるの?」
おじいちゃん「千葉だよ、千葉は日本で二番目にそら豆がとれるところなんだよ」
くみこちゃん「すごーい、じゃあ一位はどこー?」
しんやくん「北海道じゃない?」
おじいちゃん「ブー」
おばあちゃん「そら豆はあたたかいところがいいんだよ。一位は鹿児島」
おじいちゃん「千葉も南の方のあたたかいところで作ってるそら豆を採りにいくよ」
くみこちゃん「でもさっきからトンネルばっか!」
おじいちゃん「ふふん、くーちゃん、驚くぞー」
しんやくん「アクアラインを走ってるんだよ、くーちゃん」
くみこちゃん「何それ?」
おじいちゃん「ほら着いた、海ほたる!」
くみこちゃん「え!?ホタルイカ!?」
しんやくん「ぜんぜんちがう!」
東京湾上に浮かぶ海ほたる
しんやくん「周り全部海だー!」
おじいちゃん「東京湾を横断して千葉まで行くアクアラインの休憩場、海ほたるだ」
しんやくん「あ、ちゃんとお土産とかも売っててほんとにドライブインだ」
おばあちゃん「もうお土産買っておく?」
お土産を買うのも楽しみのひとつですね
おじいちゃん「どっちが強いんだろうねえ」
くみこちゃん「戦争だ!戦争だ!
しんやくん「味軍団のほうは、味、って言っちゃってるくらいで食べられること前提だから、もう負けが決まってるんじゃない?」
おじいちゃん「…」
おばあちゃん「…」
くみこちゃん「お兄ちゃん、おじいちゃんたち黙っちゃった…」
おばあちゃん「…くーちゃん」
おじいちゃん「…戦争の話はやめにしないかい?」
しんやくん「おじいちゃんたち、それはナイーブすぎるよ!思いをはせすぎだよ!」
しんやくんたちは家から持ってきたお弁当を食べています
おじいちゃん「わしらはそら豆があるからね」
おばあちゃん「くーちゃんたち、お弁当なんか食べてそら豆食べられなくなってもしらないよー」
しんやくん「そんなおなかいっぱい食べないから大丈夫だよ」
くみこちゃん「着いたー」
そら豆畑に向かいます
くみこちゃん「待ってー!おじいちゃんたちー!」
しんやくん「どんだけそら豆が好きなんだよ」
くみこちゃん「お兄ちゃん、早いもの勝ちなのこれ?」
しんやくん「絶対、そんなことないと思うよ、ほら、畑の人が説明してくれてるみたい」
そら豆は2、3回ひねったら簡単にとれるんでみんなで採ってみましょう、と説明がありました
おじいちゃん「早く採らせろー!」
しんやくん「ブーイングはやめてよ!おじいちゃんたち!」
こちらがそら豆
しんやくん「おとなげないからもうちょっと静かに採ってよー」
おばあちゃん「あー、いい匂い!」
おじいちゃん「土ぃー!葉ぁー!」
くみこちゃん「お兄ちゃん…」
しんやくん「うん、高齢者の豆への熱意には…正直温度差を感じてしまうね」
くみこちゃん「じゃあほっといて私たちも採ろう」
一般にはあまり出回らない黒ずんだものがおいしいらしいです
くみこちゃん「あれ?その場で食べるんじゃないんだー?」
しんやくん「うん、そら豆って普通はゆでたり焼いたりして食べるしねー」
くみこちゃん「生じゃだめなのー?」
しんやくん「この畑で採ったものだからいいと思うけど、ツアーの時間がないんじゃない?さっき渋滞があったしさ」
くみこちゃん「おじいちゃんたちどうするんだろう?」
昼食を抜いたのにそら豆を食べられなかったおじいちゃんたち
くみこちゃん「大丈夫?おじいちゃん?」
おじいちゃん&おばあちゃん「…ハデマツカ…ンセマリガシホ」
くみこちゃん「お兄ちゃん!?何のこと言ってんの!?」
しんやくん「ハデマツカ…わかった!ホシガリマセン、カツマデハだよ!」
くみこちゃん「戦争中のスローガン!?」
しんやくん「ショックのあまり昔にもどって右から読むようになってるだ!」
くみこちゃん「ひどい!」
バスガイドさん「それではつづきまして、びわ狩りに向かいまーす」
おじいちゃん「!!」
くみこちゃん「びわ狩りもついてたんだー、よかったね、おじいちゃん」
おじいちゃん「おばあさん、びわ狩りのコースにしてくれてたのか?」
おばあちゃん「ええ、こんなこともあろうかと…」
おじいちゃん「ありがとう…ハル…」
おばあちゃん「フフ、久しぶりに名前で呼んでくれましたね」
くみこちゃん「ねえねえ?ちなみに何のコースを選んだつもりだったの?」
おじいちゃん「うん?そら豆狩りとニューハーフショー、ツアーだよ」
しんやくん「どんな組み合わせだよ!」
バスガイドさん「びわ園つきましたー」
千葉はびわ栽培の北限といわれています、こちらも暖かいところでないと育たないんですね
しんやくん「あー、また早いー」
くみこちゃん「今度は早いもの勝ちー?」
しんやくん「びわ狩りは果樹園からもいでそのまま食べるんじゃないかなあ、となると早いもの勝ちかあ」
くみこちゃん「じゃあ私たちも急いだほうがいい?」
しんやくん「いや、食べてなくならないくらいの量があるよ、びわ園なんだから」
勇み足すぎるおじいちゃんたち
しんやくん「もう虫とか鳥とかのたぐいだよ!」
千葉のびわは大きくてみずみずしいのが特徴です
しんやくん「こりゃそんなに数は食べられないね」
くみこちゃん「でもおいしいよ」
しんやくん「うん、たしかにおいしいや、あ、くーちゃん、爪が黄色くなってない?」
くみこちゃん「ほんとだ、指がびわ色になったね、不思議ー」
しんやくん「びわの色素がついたのかな」
くみこちゃん「食べ過ぎたらこのままびわになっちゃう?」
しんやくん「いやー、それはないなー、みかんとかといっしょだよ、あれも黄色くなるじゃん」
くみこちゃん「ところでおじいちゃんたちもう満足したかな?」
大きなびわが2つ
おじいちゃん「やあ、くーちゃん、ちょっと食べ過ぎちゃったかなあ」
おばあちゃん「ほんと食べ過ぎましたねえ」
しんやくん「どんだけファンタジーなんだよ、おじいちゃんたち」
おじいちゃん「はー、満足したー」
おばあちゃん「なんだか疲れましたねー」
くみこちゃん「わたしも疲れたー」
しんやくん「じゃあ帰りのバスはずっと寝てたらいいよ」
車内はみんなおつかれムード、たまたま参加していた住正徳さんもおつかれですね
しんやくん「ほんとだ、でもあの人はもっと別のことに疲れてるんじゃないかなー、ほらほら、目が死んでる」
おばあちゃん「しんやくん、くーちゃん、みんな疲れてるんだから静かにしてなさいよー」
しんやくん&くみこちゃん「はーい」
おじいちゃんたちはびわになったままですが、多分そのうち戻ることでしょう。5月の千葉ではびわとそら豆が収穫期。みなさんもお近くの収穫ツアーに参加してみてはいかがでしょうか?
取材と文:季節特集編集部、絵:サワー沢口
ソラマメ狩りがあるとはしりませんでした^^
by nemurineko (2008-05-24 18:29)