ところで節分の豆って誰が掃除してるの？

	ソネットの季節特集を大和田家の人々がナビゲートします。 季節のイベントに興味津々な大和田家。海に山に街に、毎週、楽しげな場所に顔を出します。泣いて、笑って、喧嘩して。そんな大和田家の季節レポートをご覧下さい。

今回登場する大和田家の人物

２月３日は節分ですね。家族で行う豆まきは照れくさいながらも楽しいものです。ここ大和田家でも豆まきを行うみたいですよ。

しんやくん「はー、センター試験も悪かったし、もう本気で勉強しないとダメだよなあ」

帰宅途中のしんやくん

しんやくん「あ、あれはバクストンチンじゃないか。あれ？今から散歩か？でも散歩じゃなかったような‥‥」

勉強帰りのしんやくんが大和田家のペット・バクストンチンくんを見かけたようですね。

しんやくん「ただいまー。父さん、今日バクストンチンの散歩って誰が行ったの？」

お父さん「あれ？母さんじゃないかな？わしは行ってないよ」

しんやくん「母さーん！今日散歩行ったー？」

お母さん「ねえ、今日の鬼役だれやる？」

しんやくん「母さん、バクストンチンの散歩行ったんじゃないの？」

お母さん「行ってないわよ、節分の鬼役はやっぱり今年もお父さんかしら」

お父さん「今日寒いからいやだよう」

くみこちゃん「お母さん！わたし鬼になりたい！」

あれれ？みんな家にいましたね

しんやくん「くーちゃんもここにいるの？あれ？バクストンチンいるのかな‥‥」

しんやくんがバクストンチンくんの姿を探しに行きましたよ。

しんやくん「やっぱりいない、父さん、バクストンチンが勝手に外に出ちゃったかも！」

お父さん「ええー！？本当か！？」

しんやくん「うん、帰りに見た気がするんだよ、ひもにもつながれてなくてさ」

お父さん「そりゃ大変だ、みんなで探しに行くぞ」

町内では豆まきが行われていました

くみこちゃん「トンチ〜ン！」

しんやくん「バクストンチ〜ン！」

街の人「鬼は〜外〜！」

街の人「福は〜内〜！」

しんやくん「みんなもう豆まきやってるね、父さん今年も鬼やってくれるんでしょ？」

お父さん「もう寒いから今年は勘弁してくれよう」

お母さん「お父さん、豆を投げる側って気恥ずかしいですよー」

お父さん「そうなの？」

お母さん「いい大人が『鬼は外、福は内』って声張り上げて‥‥。もう、あのいたたまれなさといったら」

お父さん「‥‥そ、そうなの？じゃ、鬼やる」

くみこちゃん「お母さーん、私、鬼になりたーい」

お母さん「いいのよ！鬼はお父さんで！今日くらい思いっきり豆をぶつけてやるんだから！」

しんやくん「あ！トンチン！？」

ヒュッと隠れるバクストンチン君

お父さん「バクストンチン何かすごい急いでたな」

くみこちゃん「何してるんだろう？バクストンチン？」

しんやくん「あ！今日は鼻の先が掃除機になってる！」

豆を吸い込んで回るバクストンチンくん

しんやくん「豆だ！家の前に落ちた節分の豆を吸い込んでいるんだ！」

お父さん「な‥‥いじきたない！そんな拾い食いをするような者を我が家におけん！」

お母さん「お父さん、やめさせましょう」

しんやくん「やめろー！バクストンチーン！」

おじいちゃん「分かったような口をきくんじゃない！」

お父さん「お父さん‥‥」

くみこちゃん「おじいちゃん！」

おじいちゃん「おまえたちは節分の豆まきの後片付けをしたおぼえがあるのか！？」

お父さん「‥‥どうなんだ？母さん？」

お母さん「そういえば、ないわね」

しんやくん「そう言われると、節分の次の日の街ってそんなに豆のゴミが落ちてないよ」

お父さん「カラスやすずめが食べるんじゃないか？」

おじいちゃん「バクストンチンだよ」

お父さん「そんな‥‥まさか！？」

おじいちゃん「バクストンチンが街中の豆を食べることによって、翌朝もきれいな街でいられるんだよ」

しんやくん「トンチンが！？」

おじいちゃん「ほら、見てみなさい」

バクストンチンくんのお腹が大きくなってきました

おじいちゃん「バクストンチンがいくら大食だといっても街中の豆を食べ尽くすのは限界がある」

くみこちゃん「食あたりしそうで怖い！」

おじいちゃん「それでもトンチンは街をきれいにするため、自分の限界と戦っているんだよ」

しんやくん「バクストンチン‥‥」

くみこちゃん「バクストンチンがんばれ！」

お父さん「バクストンチンは我が家の、いや我が町内の誇りだ」

青ざめてきたバクストンチンくん

くみこちゃん「トンチン苦しそう」

お母さん「お父さん、もう限界じゃない？」

お父さん「いや、バクストンチンならやってくれるさ、もう少し応援しよう」

しんやくん「がんばれー！バクストンチーン！」

くみこちゃん「お父さん、何かトンチンが、バクストンチンが変だよ」

しんやくん「わ！でっかいうんちした！」

くみこちゃん「慌ててる慌ててる！」

しんやくん「どうするんだバクストンチン！？」

お父さん「あ、消臭剤をかけて‥‥」

お母さん「スプレーで色をつけてる！」

しんやくん「あれでごまかしたつもりだ！」

くみこちゃん「どうする！？お父さん！？」

お父さん「どうするって‥‥このまま放っておくわけにはいかんだろ、我が家は町内で大問題になるぞ！」

おじいちゃん「リヤカー持ってきたぞーお！」

お父さん「そーれ、運べー！」

今年の大和田家の節分はとにかく大変なことになってしまったようですね。

くみこちゃん「お父さん！？これが節分なの！？」

お父さん「くーちゃん、多分これも節分だよ！」

お父さん「‥‥それにしても何なんだ！？バクストンチンって一体何なんだ！？」

街をきれいにしたり大きなうんちをしたりとバクストンチンくんとは何なんでしょうか？
さて２月３日は節分です。あなたのお家にバクストンチンくんがいなければ、豆まきの掃除も忘れずに。

 

取材と文：季節特集編集部、絵：サワー沢口

コメント 3

バクストンチン君が主役の話を待っていました！
まだまだ謎が深まりますね…　生き物なんでしょうか？
by o-nigiri (2008-02-01 21:51) 

豆まきなんてもう20年以上してないなー、私の代わりにバクストンチン君豆まきしてくれないかなー。
by (2008-02-02 10:48) 

ハトが掃除しています　カラスもかもね
by hamako (2008-02-04 06:28)