凧揚げは広いところで遊ぼう [1月の特集]

ソネットの季節特集を大和田家の人々がナビゲートします。
季節のイベントに興味津々な大和田家。海に山に街に、毎週、楽しげな場所に顔を出します。泣いて、笑って、喧嘩して。そんな大和田家の季節レポートをご覧下さい。




今回登場する大和田家の人物

みなさま、あけましておめでとうございます。大和田家のお正月はくみこちゃんとおじいちゃんの凧揚げから始まりました。

おじいちゃんとくみこちゃんは、毎年お正月には凧揚げをして遊びます。さてそもそもなぜお正月に凧揚げなんでしょうか?一説によると江戸時代に凧が大流行し、幕府が禁止令を出す事態に。しかし正月だけはおめでたいのでみんな凧を揚げていたとか。そんな風習の名残のようです。


二人が河原にやってきたよ

おじいちゃん「とうとうこの季節が…」

くみこちゃん「おじいちゃん、今年のテーマは?」

おじいちゃん「今年はバリにしようと思う。今年のわしはバリで決めたいんだよ。」

くみこちゃん「バリ?バリってなあに?」

おじいちゃんはテレビの旅番組で見たバリ島にずっと憧れを抱いていたのでした。毎年恒例の凧揚げにもどこかから手に入れたバリ島土産の凧で挑むようですね。


バリ島の船の凧だよ

おじいちゃん「バリ島の凧をもらってきたんだよ。凧揚げは日本だけのものじゃなくて世界中にあってね。バリ島は乾季になると凧揚げ大会が行われる大変凧が盛んな地域なんだ。」

くみこちゃん「うわー、船の凧!」

おじいちゃん「ふっふっ。わしの若いころを思い出すよ。」

くみこちゃん「おじいちゃん船員さんだったの!?」

おじいちゃん「いや、船の切手を集めていたんだよ、さ、そっちを持って、走るからね!くーちゃん!」

くみこちゃん「わあ!?」


船の凧が空に舞うよ

おじいちゃん「バリ!そして船!」

くみこちゃん「わあ!?」


船ドーン!だよ

おやおやおじいちゃんご自慢の船の凧は一瞬で落ちてしまいました。


空気を察して顔を覆い見なかったことにするくみこちゃん

おじいちゃん「…だいじょうぶ、ワシが見せたかったのはこれじゃあないんだよ」

くみこちゃん「おじいちゃん!」


顔の造型がリアルすぎる蝶の凧だよ

くみこちゃん「うわー、蝶の凧!」

おじいちゃん「ふふふ、これもバリ島からもらったやつだよ」

くみこちゃん「でもなんだかちょっとリアルすぎてあれだね…」


風にあおられバサバサはためく蝶の凧

くみこちゃん「わー、ほんとのちょうちょみたい!」

おじいちゃん「バリ!そして蝶!わしの蝶が空に舞う!」

くみこちゃん「おじいちゃん!」


蝶もすぐにドーン!だよ

あらあら蝶の凧も飛ばなかったようですね。おじいちゃんご自慢の凧はお土産品の飾り凧だったようです。無理に飛ばすと凧を壊してしまいますよ、おじいちゃん。


おじいちゃんが灰のようだよ

くみこちゃん「やったやった!揚がった揚がった!」

おじいちゃん「…ぬ!」


くみこちゃんの凧が揚がったよ

くみこちゃん「うわーたのしい!凧揚げってたのしいね!」

おじいちゃん「…くーちゃん、ちなみにその凧はどんな凧なんだい?」


天気もよくきれいに揚がっているね

くみこちゃん「安いやつ!おもちゃ屋さんで買った日本の安い凧だよ」

おじいちゃん「ほーう、日本の安い凧はよく揚がるね」

くみこちゃん「うん!日本の安い凧はよく揚がる!」


日本の安い凧だよ

くみこちゃん「バリよりも日本!」

おじいちゃん「ほーう、くーちゃんはそんなに日本がいいかね」

くみこちゃん「だってよく揚がって楽しいもん!」

おじいちゃん「バリもドーンとなって楽しいよ」

くみこちゃん「やだあ、縁起も悪いし」

おじいちゃん「な、ワシの今年の縁起が悪いと…」

大変です、おじいちゃんの今年が縁起悪いものになってしまいそうです。


ショック!縁起の悪い一年を過ごすことになったおじいちゃん

おじいちゃん「くーちゃん、凧は揚がる揚がらないじゃないんだよ、今日はおじいちゃんの凧のほうがよかったと思うね」

くみこちゃん「うわー、強い風!アハハ!もっと揚がるー!」

おじいちゃん「そんなに高くてもしようがないじゃないか。くーちゃん、大事な話をするからよく聞いておくれよ。凧っていうのは人生と同じなんだよ…」

あらあらおじいちゃんたら凧揚げに失敗して、かっこいい人生訓を言おうとしていますよ。


凧が高く揚がって楽しそうなくみこちゃん

くみこちゃん「やったー!もっと風吹いてー!」

おじいちゃん「人生と同じ、どれだけ高く凧が揚がるとかじゃないんだよ、どれだけ凧を楽しむか…」

くみこちゃん「え!?何ー?人生が凧でー!?どうしたのー!?」

くみこちゃん、人のかっこつけた話を聞き逃すと、その場がだめーな空気になってしまいますよ。


恥ずかしそうなおじいちゃん

おじいちゃん「だからね…タコ…あの…人生がさ…」

くみこちゃん「タコの人生!?」

おじいちゃん「…人生がタコで…あのね」

くみこちゃん「え!?おじいちゃんはタコの人生なの!?」

おじいちゃん「タコさ!ワシはタコだよ!うわぁあああん!」

これはいけません。くみこちゃんは知らず知らずのうちにおじいちゃんを追い詰めてしまいました。


突然、蛸(タコ)のまねをはじめたおじいちゃん

おじいちゃん「タコだ!ほらタコだ!タコの悲しいタコ踊りだよ!」

くみこちゃん「いやああ!おじいちゃんの腕が!?」

ボコンッ。おじいちゃんの関節が変な音を立てて普段とは違った動きを見せていますよ。

おじいちゃん「痛っづ。。。。。ったぁぁぁああああ!」


整骨院

おじいちゃん「わしらは新年早々何をしていたんだろうかねえ」

くみこちゃん「おじいちゃん?」

おじいちゃん「なんだい?」

くみこちゃん「あけましておめでとう」

おじいちゃん「…くーちゃん、凧揚げ楽しかったかい?」

くみこちゃん「また来年もやろうね!おじいちゃん!」

おじいちゃん「…ありがとうね、くーちゃん」

さすがはおじいちゃんとくみこちゃん。色々あったけど、二人の絆を思い知った一日となりました。
さてお正月は大人でも楽しめる凧揚げを。周りに何もない広いところで楽しんでくださいね。


今の凧は意外と簡単に高く揚がりますよ

取材と文:季節特集編集部、絵:サワー沢口


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o-nigiri

おじいちゃんとくみこちゃんのコンビは絶妙ですね☆
二人とも殆ど表情が変わらないのに動きや汗、効果線で感情が伝わって来ます。
by o-nigiri (2008-01-06 14:25) 

ishot14-tama

正月は、凧とコマと羽子板の三拍子でしたが、最近は余り見かけません。目が付いている初期のゲイラカイトを良く揚げました!最近のは目が付いて無いんですね。
by ishot14-tama (2008-01-06 18:20) 

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