プレゼント選び [12月の特集]

ソネットの季節特集を大和田家の人々がナビゲートします。
季節のイベントに興味津々な大和田家。海に山に街に、毎週、楽しげな場所に顔を出します。泣いて、笑って、喧嘩して。そんな大和田家の季節レポートをご覧下さい。




今回登場する大和田家の人物

今日はおじいちゃんとくみこちゃんが、サンタさんにおねがいするクリスマスプレゼントの目星をつけに、おもちゃ屋さんにやってきました。おじいちゃんは「一体何が最高のプレゼントなのだろうか」と悩んでいるようです。

くみこちゃんがおじいちゃんの腕を引っ張って歩いていきます。

くみこちゃん「はやくはやくー!」

おじいちゃん「あいたた、そんなに急がんでもお店は逃げたりはせんよ」

くみこちゃん「わーい、ツリーツリー!」

くみこちゃんの目指す先にはおもちゃ屋さんの入口。お店にはツリーが飾られていて、クリスマスの雰囲気がでています。くみこちゃんの目は輝きを増します。


いざおもちゃ屋

くみこちゃん「あ…あれは…」

店内に入るとくみこちゃんは何かを発見したようで、おじいちゃんの手を離れて一気に加速して駆け寄ります。

おじいちゃん「おいおい、走ると危ないぞ」

くみこちゃん「わかってるー」


何かを発見

くみこちゃんは何に気がついたのでしょうか。おじいちゃんはくみこちゃんの後を追いかけます。そこにあったのは…。


戦闘民族の服

おじいちゃん「な、なんじゃこれは」

くみこちゃん「ドラゴンボールに出てくるベジータの服!」

おじいちゃん「くーちゃんはこれが欲しいのかな?」

くみこちゃん「うん、ほしい」

おじいちゃん「サンタさんに頼む?」

くみこちゃん「うーん、サンタさんに頼むのとは違うかなー」

おじいちゃん「そ、そうか…」

おじいちゃんもクリスマスプレゼントにはくみこちゃんが楽しめるものを受け取ってほしいとは考えていましたが、さすがにベジータの服には抵抗感がありました。これではないと聞いてほっと一安心。

どうやらくみこちゃんにとって、「クリスマスプレゼント」というのは単に欲しいものではなくてそれなりの条件というものがあるようなのでした。


宝の山

続いて今度はおじいちゃんがいいものを発見しました。

おじいちゃん「これなんかどうだろう」

くみこちゃん「なあに?」

おじいちゃん「スマートグローブというそうだ」


一見ただの地球儀

ただの地球儀ではありません。付属のペンでタッチすると、国の名前や通貨などをしゃべってくれる賢い地球儀です。

おじいちゃん「これなら楽しみながら学べる、最高じゃないか」

くみこちゃん「確かにそうかもしれないけど…」

おじいちゃん「けど?」

くみこちゃん「クリスマスプレゼントに地球儀もらって喜ぶようには教育されてないよ。やっぱりこれもちょっと違うと思う」

大和田家の日常はおとぼけの連続です。それをクリスマスだけ合理的になるなんてナンセンスだ、というのがくみこちゃんの意見でした。

おじいちゃんは確かにそうだ、と思って本当に適したものを再び考え始めました。


とぼけた顔のパンダ

続いてやってきたのはゲーム売り場です。くみこちゃんが一番に駆け寄ったのは任天堂のゲーム機のコーナーでした。


タイルのようになれべられたソフトたち

くみこちゃん「こんなにいっぱいあると、迷うわあ」

おじいちゃん「たしかに、いっぱいあるなあ」

おじいちゃんはその種類の多さにびっくりです。

ゲームをプレゼントに選ぶのはあまりよくないと感じていましたが、これだけたくさんあると一概にそうとは言えないかもしれません。

くみこちゃん「たしかにゼルダは鉄板よねえ」


夢中で吟味

くみこちゃんもいいゲーム探しに夢中なようです。おじいちゃんも眺めてみます。

おじいちゃん「ニンテンドーDSはゲームらしいゲームだけじゃなく、学習ソフトがおおいなあ」

くみこちゃん「なにかおすすめある?」

おじいちゃん「うーん。そうだなあ。これなんかどうだろう」

おじいちゃんは一通り見て、ソフトを一つ手にとりました。


文章読みトレーニング

画面を操作しながらゲーム感覚で文章題を解くことで、論理的に考える力をトレーニングするソフトだそうです。くみこちゃんはおじいちゃんの説明をきいて納得しかけます…が。

くみこちゃん「いや、やっぱりいいわ。ゲームはやめる」

おじいちゃん「ん? どうした急に」

くみこちゃん「しほんしゅぎのわなにはまってしまうところだったわ。たくさんあるからその中にいいものとわるいものがあると思ってしまう…」

おじいちゃん「なんか理屈っぽくて子供らしくないのう」

くみこちゃん「子供だってゲームを買わないじゆうがあるわ、ふりーだむよ」

おじいちゃん「まあ、好きなのを選びなさい」

 

おじいちゃんはくみこちゃんが自分自身で何が欲しいのか考えているということを理解しました。くみこちゃんにぴったりなプレゼントはくみこちゃん自身が見つけられるだろうと思って、この場はすべてくみこちゃんの自由にさせることにしました。


自由に探すくみこちゃん

くみこちゃんは右を見たり左を見たり、首をフル稼働させながら通路を歩いてまわります。なかなかお目当てのものが見つからないようです。

くみこちゃん「これも…ちがう」

おじいちゃん「大丈夫かのう」

くみこちゃん「あっ、これ!」

おじいちゃん「おお、どれどれ」

おじいちゃんはくみこちゃんが見ているものを覗きこみました。


アヒル隊長

そこにあったのはアヒル隊長でした。ちょっと拍子抜けです。

おじいちゃん「本当にこれをサンタさんにお願いするつもりかの?」

くみこちゃん「うん、そうよ」

おじいちゃん「けちをつけるわけではないが…その、遠慮することはないんだぞ」

くみこちゃん「いいの…」

どうも様子がおかしいみたいです。おじいちゃんはもっと詳しく話を聞き出しました。


アヒル隊長に罪はないけども

するとくみこちゃんはこう話しました。

くみこちゃん「去年のクリスマスのプレゼント、きっと頼むものがいけなかったから『えらいひとのおはなし』だったの」

おじいちゃん「そうだったのか」

くみこちゃん「だから、きっと高いものはだめなの」

去年のサンタさんからのクリスマスプレゼントが『えらいひとのおはなし』だったのが、くみこちゃんにとって相当トラウマになっていたのでした。


落ち込みながら説明するくみこちゃん

おじいちゃん「よし、わかった。サンタさんにはちゃんと伝えておくから、今度は本当にくーちゃんが欲しいもの」

くみこちゃん「ほんとっ!?」

おじいちゃん「ほんとうじゃ」

こうしてようやくくみこちゃんは自分が本当に欲しいものを見つけることができたのでした。おじいちゃんは帰ってからそれをサンタさんに伝えたそうです。


アヒル隊長は今日買っていきました

あげる人も貰う人も幸せになるようなプレゼント選びにしたいですね。

取材と文:季節特集編集部、絵:サワー沢口


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コメント 3

dick

津川さんちのサンタさんはオークションで安く売られていきました。でも、共同経営者が現れてグランパパは倒産をせずに済みました。サンタ~カムバーック!。
by dick (2007-12-22 01:12) 

o-nigiri

プレゼントを受け取った人が喜んでくれるとあげる側も幸せですねー。
むかしサンタの贈り物が地球儀だった時は大泣きしましたが、サンタ役の祖父母も泣きたかったんだと思います。今回の大和田家を読んで思い出したので今度は祖父母にプレゼントでもしてみます☆
by o-nigiri (2007-12-22 11:50) 

shosho

まあまあ
by shosho (2007-12-27 11:56) 

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