学園祭に潜入 [11月の特集]
ソネットの季節特集を大和田家の人々がナビゲートします。 |
今回登場する大和田家の人物
実は受験生だった長男のしんやくんが、大学の学園祭にやってきました。受験する学部や学科がいまいち決めることができず勉強に身が入らないので気分転換です。モチベーションを上げるために是非とも大学の素晴らしさを感じたいところ。
近所の大学の学園祭にやってきました。柵に出し物の看板がたくさん貼ってあったりして、大学の学園祭の雰囲気がよく出ています。
にぎやかな雰囲気
しんやくん「ああ、ちゃんと大学の学園祭を楽しめるだろうか…」
大学で楽しむということは、勉強のモチベーションにつながるので、しんやくんはちょっと緊張しています。しかし、彼も自覚しているのでしょうが、受験に対してプレッシャーを感じすぎているところがありそうです。大丈夫でしょうか。
思索にふけるしんやくん
しんやくん「こうやって僕みたいなのが受験を重圧に感じてしまうのは教育がよくないせいだな。教育学部に進んだらいいのかもしれない」
と、冷静な一言。自分を客観的に眺めることができるのでなんとか大丈夫そうです。
初めて大学の門をくぐる
さて門をくぐると人であふれ返っています。移動することもままなりません。
人の海
しんやくん「大変だなあ。みんなが来る傾向にある時間帯に当たったんだな。もう少しずらして来ればよかったかもしれない」
人の壁にはばまれる
しんやくんはもうちょっと自分以外の人たちがどのような行動を取るか考えてから、自分の行動を決めればよかったと思いました。
しんやくん「うーん、こういうことを考えるのは社会学部だろうか」
息抜きで学園祭に来たつもりが、なんでも受験と結びつけてしまうようです。しかしまあ、リアルな大学を目の前にしながらこうやって考えるのもいいかもしれませんね。
しんやくん「それにしても混んでるなあ」
ちっとも進めない
ぶつぶつ言いながら、しんやくんは歩き進みます。すると赤い服を着たおねーさんたちが踊っていました。
踊るおねーさんたち
しんやくん「おお、踊っている! おねーさんたちが踊っているぞ!」
しんやくんは普段女の子と縁がありません。普通にダンスをしているだけで大フィーバーです。興奮しすぎです。
ほとばしる熱いパトス
ダンスに興奮する一方でしんやくんは冷静にも考えます。
しんやくん「それにしても僕は女の子と縁がない。きっとイケメン様たちが片っ端から持って行ってしまうからだろう。おそらくそこには権力構造があって…とりあえず革命が必要か?」
革命とはこれまた飛躍しすぎな気がします。動機はともあれどうやらしんやくんは政治学の分野にも興味があるのかもしれません。
冷静と情熱の間
再びぷらぷら歩いていると、手相占いのコーナーがありました。進路について悩むしんやくんはちょっとでもヒントになればいいと、列に並んでみることに。
しかし並んでから気づいたのですが、まわりは女の子だらけです。
オセロだったら女になってる
しんやくん「信じてなんかいないんだけどね、こういうのも一興と思ってね。」
責められているわけでもないのに言い訳をし始めるしんやくん。しかし、内心はこうです。
しんやくん(女の子って占い好きだし、手相占いは手を触り放題だ。すばらしいな)
大学に入ってから何のサークルに入るか、どうやら決まってしまったようです。
占ってもらってるところ
さて結果。要約すると「シャイでロマンチスト、成長の時期なので努力しろ」だそうです。
しんやくん「こんなこと、親でも言えるよなあ」
当たり前のことを言われただけなような気がするしんやくんはちょっとがっかりでした。
占いのメモ
がっかりしたら小腹がすいたので、ちょっとおやつでも食べようとあたりを見回します。するとちょうどいい物件を発見しました。バナナ春巻きの店です。
いい店発見
しんやくんはメープルシロップのかかったバナナ春巻きを注文します。作りたての品物を受け取って早速食べます。
メープルを購入
しんやくん「アッ、アツアツ! 熱い!」
揚げたてなのでアツアツです。しんやくんは落とさないようによく注意して食べます。
とてもおいしかったのですが、すぐに食べ終えてしまいました。
財の消費と効用について考える
しんやくん「これで300円か…なんだかな…。しかも、この売り上げはあの店員たちの飲み代に消えるんだろうな…。クソ、二重に搾取された気分だ」
しんやくんは経済にも興味があったりするみたい。
他にも学園祭には楽しそうなイベントが目白押しでした。
ゾンビのダンス
バンドの演奏
パントマイム
単位供養地蔵
しんやくん「大学って楽しそうなことがいっぱいあるんだなあ」
高校とは比べ物にならない大学の自由さにしんやくんは憧れます。しかしぼんやり歩いていたら、なんだか人気のない場所にきてしまいました。
ここはどこだ
しんやくん「ここは何の棟かなあ…」
なれない場所でしんやくんは方向感覚を失っています。
どんどん迷ってゆくしんやくん
迷えば迷うほどどんどん奥まったところへ入っていきます。
すると最後には壁に張り紙がいっぱい並べられた場所へたどり着きました。
壁に何か貼ってある
そこにはこう書かれています。
しんやくん「4年生対象会社説明会…」
現実
学園祭の明るい雰囲気からは想像もつかない大学の真実(のようなもの)をまざまざと見せつけられたしんやくん。
しんやくん「大学受験なんてまだ途中でしかないのか…」
改めて考えるともうセンター試験まで2か月くらいしかないので、そろそろスイッチを切り替えないといけません。
しんやくん「目標をセンターに入れてスイッチ…目標をセンターに入れてスイッチ…」
とりあえず勉強しないといけないような強迫観念に襲われたしんやくんはうつろに家に帰りましたとさ。
がんばれしんやくん
学園祭シーズン、受験生じゃない人は大学の浮いたノリを楽しみ、受験生はそれぞれの大学の雰囲気の違いを感じてみてはどうでしょうか。
取材と文:季節特集編集部、絵:サワー沢口
がんばれしんや君
by o-nigiri (2007-11-09 21:33)